これまでの事業報告書

2015年度事業報告書

2015年度
筑波大学 地域医療教育学講座
事業報告書

神栖済生会病院における診療実績

総合診療科

現状について

神栖市のある鹿行二次医療圏は,人口10万人対医師数が,90.7人1)(全国平均244.9人2))と県内でも少ない地域である。
また,神栖済生会病院でも内科常勤医は少なく,非常勤で循環器内科,神経内科,甲状腺・内分泌外科,呼吸器内科などの医師が,曜日別に診療の支援に訪れている状況で,医師不足の現状は厳しい状態にある。

1)平成26年12月末現在:平成26年茨城県医師・歯科医師・薬剤師調査より
2)平成26年12月末現在:平成26年厚生労働省医師・歯科医師・薬剤師調査より

診療実績について

2009年年度より,医師不足地域における診療の充実および地域医療実習の効果的運営のため,毎週水曜日午前・午後に新たに内科総合診療外来を開設し,阪本医師が診療を開始した。
2010年度から神栖市による「神栖地域医療研修ステーション設置事業」が始まり,神栖済生会病院に同ステーションが設置され,横谷医師が水曜,木曜に診療を開始した。それに伴い阪本医師は,月曜・火曜の診療の担当となり,結果,月曜から木曜まで連続して当講座の2名の医師が総合診療科外来を担当することが出来るようになった。

2011年度は,上記の2名体制に加え,4月から翌年3月まで常勤(病棟・救急業務含む)として,筑波大学総合診療科から総合診療科医師を合計3名派遣して診療を担当した。
2012年度には,横谷医師が北茨城市立病院にも医療支援活動を行うことになり,従来の水曜1日,木曜半日の体制から木曜1日外来へと変更となった。新たに筑波大学総合診療科から週1日非常勤講師を派遣して,診療を担当した。

2013年度は,横谷医師が引き続き木曜1日外来を5月末日まで担当した。また,4月から9月末までは常勤(病棟・救急業務含む)として,10月から3月までは非常勤(週1日)として,筑波大学総合診療科から総合診療科医師を1名派遣して診療を担当した。
2014年度は,引き続き阪本医師による月曜・火曜の診療に加え,4月より非常勤として,水曜・木曜を筑波大学総合診療科から総合診療科医師1名を派遣し,月曜から木曜までの診療をカバーした。さらに10月からの半年間は,常勤(病棟・救急業務含む)を筑波大学総合診療科から総合診療科医師を1名派遣して,合計3名での診療を担当した。

2015年度は、引き続き阪本医師による月曜・火曜の診療に加え,筑波大学総合診療科から非常勤として、水曜・木曜の総合診療科医師1名の派遣を継続し,月曜から木曜までの診療をカバーした。さらに,筑波大学総合診療科から1名の総合診療科常勤医(病棟・救急業務含む)の派遣も継続し、合計3名での診療を担当した。

この総合診療科外来の特徴は,糖尿病や高血圧などの生活習慣病をはじめ,うつ病,認知症など日常診療でよく見られ,かつプライマリ・ケア上も重要と思われる疾患が,専門医資格を有する医師により質の高い診療が行われていることである。
また,指導教官が地域医療の現場において医学生に直接指導を行うことで,従来の大学内だけの教育では,地域医療に触れる機会のなかった医学生が,将来の医師像として考える機会を提供することが出来ている。

さらに,各臓器を超えた総合的な診療が行える医療機関が近隣にないことから,近隣医療機関からの紹介や評判で受診を希望する方も多く,これらの症例の中から,血液疾患,甲状腺・内分泌疾患,悪性腫瘍,うつ病を始めとする精神疾患などの疾患も見つかり,院内外の専門医と協同し,鹿行地区の医療を支えている。

耳鼻咽喉科

本講座開設前の状況

神栖市における耳鼻咽喉科常勤医は診療所にただ1人のみであり,他の診療科同様極めて少ないため,神栖済生会病院では以前より日本医科大学より派遣された医師により週2日間(月,木曜日),非常勤だが耳鼻咽喉科診療を行っていた。

本講座開設後の実績

<平成26年度以前>

平成21年(2009年)4月の講座開設により,本講座所属教員が耳鼻咽喉科医であることより,医師不足地域における診療の充実および地域医療実習の効果的運営のため,新たに毎週水曜日に耳鼻科外来を開設し診療と教育にあたっている。
この外来の特徴は,急性中耳炎や急性扁桃炎など,日常診療上よく見られ,かつプライマリ・ケア上も重要と思われる疾患を,指導教官が医学生に直接指導できることにある。
外来患者数は,本講座開設前の平成20年度(2008年度)が3536人だったのに対し,開設後の21年度(2009年度)が4290人,22年度(2010年度)が5286人と増加傾向にあった。

しかし23年度(2011年度)はそれまで医師を派遣してきた日本医科大学耳鼻咽喉科の事情により,4月からは木曜日が,8月からは月曜日が休診となり,当病院の耳鼻科外来は基本的には本講座の教員が行う毎週水曜日午前のみとなった。これにより患者が診察日に殺到し,十分な診療と学生指導が不可能となってしまった。
そこで診療と学生実習の質を維持するために,やむを得ず予約制の外来診療としたため,平成23年(2011年)外来患者数は1991人と減少した。この状況を改善するため,平成24年度(2012年度)8月から筑波大学耳鼻咽喉科より派遣された医師によって月曜日1日外来枠(予約制)を新たに設け,本講座の教員と合わせ週1.5日の診療にあたり,24年度の外来患者数は2056人と若干増加した。
平成25年(2013年)4月,新居葉子医師(H15年卒,日本耳鼻咽喉科学会認定専門医)が赴任し常勤医師となった。それに伴い,筑波大学耳鼻咽喉科から派遣された医師による月曜日の外来は平成25年3月末をもって終了し,新居医師が月・火・木・金曜日の各午前の外来を,本講座の教員が従前通り水曜日の外来を担当することとなり,週を通しての外来診療が可能となった。
これによって,急性扁頭炎や顔面麻痺などで入院を要する急性疾患への対応,腫瘍疑いへの生検や他院への紹介,入院患者に対する気管切開術などの外科的処置なども可能となり,診療内容が格段に充実し,平成25年度の外来患者数は3975人と著増した。

平成26年度は新居葉子医師が平成26年2月から10月までの産前産後休暇を取得することになり,同医師への負担軽減と休暇中の外来機能の維持を目的に,平成25年12月から平成26年11月までの1年間,新居医師が行っていた月曜日の外来を筑波大学耳鼻咽喉科から臨時に派遣された医師によって維持した。
したがって外来開設は本講座の教員が従前通り行っていた水曜日の外来と合わせ,平成26年2月から10月までは一時的に週2日(月・水曜日)の外来診療となり,平成26年度は患者数(2950人),診療機能ともに一時的に低下した。
さらに,隣接する鹿嶋市の小山記念病院耳鼻咽喉科の常勤医師2人(帝京大学より派遣)が平成26年9月から不在となったため,鹿行地域全体としての耳鼻咽喉科診療機能はさらに低下した。

<平成27年度以降>

昨年度の平成26年11月からは新居医師が産前産後休暇より復帰し,週を通しての外来が再び可能となったことより,平成27年度の患者数は3833人と平成25年度とほぼ同様になった。
一方,鹿嶋市の小山記念病院耳鼻咽喉科外来は帝京大学からの常勤医派遣終了後も同大学からの非常勤医による外来診療のみ開設していたが,平成28年3月で終了することになった。これにより,それまで同病院で診療を受けていた患者からの診療依頼の問い合わせが多くなり,対応に苦慮することが多くなった。
しかし鹿行地域は喉頭癌の重篤な呼吸困難患者が来院し即日救急搬送するなど耳鼻咽喉科診療の必要性は極めて高く,新居医師と本講座の教員が協力し,学生の教育も行いながら,限られた医療資源を最大限に活用して可能な限り診療に従事している。

乳幼児難聴専門外来

講座開設初年度の2009年9月に乳幼児難聴専門外来を新設し,乳幼児健診時の難聴疑いや言語発達遅滞疑い患者に対し,それまで鹿行地域で施行されていなかった聴性脳幹反応検査(ABR,保険診療点数670点)を実施している。
当初,紹介元の多くは乳児健康診断後の神栖市や千葉県北東部を含めた周辺医療機関であったが,最近は当外来の存在を知った両親の自主的な行動や,院内の小児科からの依頼による検査依頼が多くなってきている。
また新生児聴覚スクリーニング検査で要再検時の精査は,茨城県では日本耳鼻咽喉科学会推薦の県内4精密聴力検査機関で行うことになっていることを家族に説明した上で,どの施設にも通院が難しく神栖市内での検査を希望した場合に限り,例外として当外来で検査を施行している。
今後も乳幼児の健全な言語発達のため,神栖市健康増進課で行われている乳幼児健診との緊密な連携が望まれる。

地域医療教育

医学部5年生に対する実習

実施期間:2015年9月14日~2016年3月18日
実施人数:神栖市での地域クリニカル・クラークシップとして47人が実習
実施概要:医学生約4人単位で,1週間の泊まり込み型での実習

実習スケジュール(一例)

*タクシーによる市内巡回見学(2015年度より新設)
神栖市到着後まず市の全体像を把握するため,実習第1日目の午後にタクシーを使い,同乗される神栖市健康増進課職員の方からの解説を聞きながら,鹿島臨海工業地帯,港公園,ピーマン栽培ハウス,波崎海水浴場,波崎漁港,特産物特売所など,市民の日常生活に密着した場所を巡り,この地域の特色や住民の生活環境を知り,健康問題の背景を考察した。

全員でタクシーに乗車
港公園にて
神栖市で盛んなピーマン栽培の
説明を受けた
東国三社として名高い
息栖神社にて
快水浴場百選に選ばれた海水浴
場や波崎漁港周囲にて
物産品店に立ち寄った

<市内巡回見学の感想の一部>

  • 1年生の時にも来たが,神栖市には工業,農業,漁業と多種多様な産業があることや,同じ市内であってもそれぞれの地域で人々のライフスタイルが異なっていることなど,より深く神栖市の様子や特徴を知ることができた。
  • 若い世代が多く,神栖市の元気の良さや人々の温かさに触れることができた。
  • もっとタクシーを降りて見学したり人々の生の声をお聞きしたくなるほど地域の人と触れ合う機会があって,神栖市で最も印象に残った時間だった。この巡回がなければ神栖での実習の意味を見いだせないと思った。
  • 土地と資金が潤沢にある地域であることがよく理解できた。
  • とても住みやすくいい街で親近感が湧くだけでなく,愛着を持てるようになり,また訪れたいと思った。
  • 市の地理,産業についての情報を初日に得ておくことで,医療をめぐる問題をより深く理解することができた。
  • 地域医療を考える上で,市民の暮らし,産業,経済,行政を知ることの大切さを改めて知った。
  • 神栖市の人々の暮らし,特産物,工業,交通,生活,病院などを見て,その後の実習で出会った人々や患者さんの生活背景を想像しやすくなった。と同時に,もし自分がこの地域に暮らしたらどんな生活になるのかが容易に想像できるようになった。
  • 市内を知ったことで,それ以降の実習先や患者さんとの共通の話題ができ,会話がとてもしやすくなった。
  • 工業地帯としても発展し人口が少ない僻地でもなく深刻な医療過疎があるように見えなかったが,巡回してみて初めて市の発展と医療の普及がかい離していることに驚き,なぜそうなるかを考えるきっかけとなった。
  • 医療過疎の地域での健康維持について考察でき,将来,医師不足地域で役立つことをしようというきっかけになった。

*外来実習
病院外来・診療所で,医学生自身で問診をとり,診察,評価,方針,カルテ記載までを行った。その後,医師の診療に同席し,ディスカッションを通して,よくある病気の診療に必要な知識・技術を学んだ。

*産業保健実習(2013年度より開設)
産業医,産業保健師,産業看護師に同行して,産業保健の現場経験を通して企業社員のヘルスプロモーションに関する理解を深めた。
2013,2014、2015年度実習協力医療機関:新日鐵住金株式会社鹿島製鐵所

<産業保健実習の感想>

  • 実際の現場を具体的に見ることが出来、病院とは異なる産業保健関連職種の役割や関わり方を学ぶことが出来た。
  • 職場巡視やメンタルの問題を抱えた社員面談の面談を見ることができ、産業医へのイメージが明確になった。
  • 社員さんの健康対策は、勤務体系や労働環境にも考慮した対応が求められているのが、印象的だった。
  • 茨城県の製造業に従事する人々は喫煙者が多いと感じた。これへの対策は重要な課題だと思う。
  • 予防医学への意識が上がった。
  • 大学の授業ではあまり知ることが出来なかった産業医の役割や守備範囲の広さ、そして産業保健の重要性を知ることができ、興味が湧いた。
  • 産業医に対する具体的なイメージを持つ事ができ、進路選択の幅が広がった。将来の進路を考える上で、必要な実習だと思う。

*神栖市内診療所実習(2010年度より新設)
実習に協力して下さる神栖市内の診療所を訪れ,神栖市民にさらに身近な医療を学んだ。
透析,漢方,往診,グループホームでの健康相談,小児予防接種,糖尿病教室など,それぞれの診療所には特徴があり,地域の人々や院長先生,スタッフの方たちと交流しながら,これらを神栖市内の診療所が行う意義を考える機会とした。

<2015年度実習協力医療機関(50音順)>

あきら医院院長
中島 章先生
鹿嶋ハートクリニック院長
黄 恬瑩先生と佐藤先生
こいえ産婦人科医院院長
鯉江 芳行先生
スタッフの方たち
城之内医院院長
城之内 宏至先生
にへいなかよしクリニック
二瓶 実先生と雅代先生

<診療所実習の感想>

  • 診療所の先生から直接クリニックの役割や経験談を聞けたことが有意義だった。
  • 開業して地域に貢献しようという,熱い思いが伝わってきた。
  • 診療所の先生が持っている,この地域の医療を支えている責任感とプライドを感じ,感銘を受けたと同時に尊敬した。
  • 将来の夢に対する的確なアドバイスや質問に真摯に答えて下さり,本当に感謝した。
  • 地域の健康を考えて,厳しくかつ丁寧に説明して生活環境を改善させようとしているのがわかり,しかし,不満そうに帰る患者がいなかったのが印象的だった。
  • 何事もたくさん経験することの重要さを実習中の具体的な例を挙げて教えていただいた。
  • 患者さんの社会的側面を把握し,目を合わせて診察をするという,基本に立ち返る大切さを痛感した。
  • 外来,患者主体の糖尿病教室,健康指導や分煙指導など,多岐にわたって充実した診療をしているのがよくわかった。
  • 様々な領域の処置や治療を行っており,専門領域以外の知識も詳しく必要なのだと知った。
  • 都市部や大病院とは異なったアプローチでの医療の在り方を見,業務がスムーズで,今後の医療の在り方の方向性を感じた。
  • 地域で果たしている役割を肌で感じることができ,学ぶことができた。
  • 地域に根付いて医療を行っていくには幅広い知識と技術が必要だと感じた。
  • 往診や訪問診療に随行して,治療だけでなく患者さんのその後の生活にも思いをはせるようになった。
  • 神栖にはどんな人々が暮らし,どう医療を考えているかについて,深く考えることができるようになった。
  • その地域が好きだという気持ちが地域医療の原点ではないかと思った。

*訪問看護実習
訪問看護師に同行して,在宅での看護業務に関する実習を行い,在宅でのケアに必要な知識・技術,配慮点などについて学んだ。

*訪問リハビリ実習
訪問理学療法士に同行して,リハビリの業務に関する実習を行い,在宅での自立促進や廃用症候群予防に必要なリハビリテーションの知識を学んだ。

*フィールドワーク(地域診断)実習(2013年度より新設)
この地域の医療問題に対して,何らかの提言をすることを目標にフィールドワークの視点を持って取り組む実習。実習期間に触れ合った医療スタッフや住民との交流,そして,この地域の町並みや風土について感じたことを通して,この地域で生活することの強みと弱みを考察した。そして,最終日の振り返りの際にグループ発表を行った。

*ヘルスプロモーション
地域の現場で,通院患者,小・中学生や住民,企業の社員を対象にした健康教室に協力して行った。一般の方の心へ届くような配慮点や地域住民と交流することで,医療に対する期待を肌で感じる機会を持った。

*住民体験実習(2010年度より開設)
地域の農家や商店などで1日仕事を手伝いながら,地元の人と交流した。その中で土地と人を知り,この地域や仕事ならではの健康ニーズをつかむことを目的とした。また,他業種の職場体験は,様々な人々とふれあう医師として,人を理解するための想像力の源とした。

※実習協力事業者:和菓子製造・販売・・・鹿島製菓株式会社(幸鹿堂,しゅくる・ふるーる)

*調剤薬局実習(2014年度より開設)
神栖済生会病院の周囲に位置する3調剤薬局で様々な業務を体験し,地域における調剤薬局の役割,的確な処方箋の書き方,医師と地域薬局との緊密な連携の重要性などを学んだ。

<2014年度実習協力機関(50音順)>

アイン薬局神栖店 加瀬光一様(右)
とスタッフの方たち(右 2 人目は学生)
田辺薬局神栖中央店
鈴木 貴之様(中)と
スタッフの方たち
中央薬局知手店
飯塚 弘様

<感想の一部>

  • ほとんど知らなかった業務を,処方するときの実感を持って実習ができ,とても充実していた。
  • 決して受動的な薬剤の受け渡しのみを行っているのではなく,飲み合わせなどの管理も徹底されており,処方前に患者さんに尋ねるべき粉末,シロップなどの剤形変更などを処方する前に聞かないといけないと思った。
  • 多職種と幅広く携わっていることを学べ,連携の大切さを感じた。
  • 小児に対する処方の工夫の仕方を実際に見ることができて,とても参考になった。
  • どのように処方箋を書けば薬剤師の先生に的確に自分の考えを伝えられるかを理解でき,将来,薬剤師の先生の立場に立った処方箋が書けるようになれると思った。
  • 処方箋への配慮や薬剤師の先生とのチーム医療について考えるきっかけとなった。
  • 専門的な知識を生かして医師のミスを早い段階で防いでくださることや,患者さんの声を代わりに受け止めてくれる重要な職業だと再認識した。
  • 薬剤師の先生の医師に対する思いを聞いて,意思疎通を図っていくことの重要性を感じた。

*乳幼児健診
神栖市保健センターで,乳児の測定の介助を行いながら実習した。この実習を通して,乳児の正常発達や年齢相応の身長や体重に関する知識を学んだ。

*泊まり込み実習
1週間泊まり込み,地域住民の方と交流する機会を持つことで,医療への期待や不安を肌で感じ,また,周辺を実際に散策しながら医療面だけでなく生活環境にも親しみ,地域への理解を深めた。

*最終日の振り返り
毎週金曜夕方,大学でその週の学生全員が集まり,教員と共にこの週に学んだことを踏まえ,神栖も含めた地域医療の問題点や今後自らの果たすべき役割について,考えを共有し,深めた。

<学生から神栖市への提言の一部>

  • 海水浴場,合宿所,特産品,工場の夜景スポットなどのPRが足りない気がする。例えば,ピーマンが特産だからしょうゆをちょっと付けたピーマンの丸焼きをその場で食べられるなど,都市部への情報発信,特にるるぶやSNSを多用した発信を積極的にしたらいいと思う。
  • 外からの医師を受け入れるのではなく,小中学校からの学力を高めて大学進学率を高め,神栖市から医学部に入れる生徒を育てる。これは,ひいては,派遣された医師の定着にもつながると思う。
  • 街作りがとても重要だと思う。魅力がない街と自ら言ってしまう住民の方がいるし,休みの日に神栖から出て遊びに行ったり買い物に行ったりする人が多いと聞いた。進学校の充実を含めた教育,商業施設,娯楽施設,住居を作り,休みの日にも神栖内で過ごすことのできる魅力ある街にすれば,医師だけでなく自然と人は集まってくると思う。
  • 鉄道や高速道路を中心にした交通網を発達,充実させる。
  • 小さな病院が複数あるよりも,大きな研修病院一つ作ってまとめたほうがいいと思う。そして,千葉県側の医療機関と連携していく。
  • 医療福祉に関する広報を促進し,若い人の健康教室参加を促進し,健診受診率をあげる。
  • 潤沢な資金の使い方をもっと工夫したほうがいい。例えば,現在の非常勤医師の交通費をもっと増やして負担を軽減し,先ずは非常勤医の増加を図る。
  • クリニックへかかりつけ医としての役割を充実させて,済生会病院がかかりつけにならないようにするべき。
  • 指導医レベルの医師をヘッドハンティングし、研修医が全国から集まるようにする。医師数を増やすことも大事だが,予防教育をするために保健師さんを増やしていくのもいいと思う。

医学部1年生に対する実習

実施対象:早期体験医学教育の一環として,医学群1年生全員を対象に行われた。
実施人数:16人(4人単位での1日間の実習をのべ4日間実施)
実施目的:将来,病院-診療所間でつながりを意識した医療を提供できる医療人になるために,病院と地域で行われている医療の違いを知る第一歩として,地域医療現場の実際を体験した。
実施日程:神栖済生会病院にて,2015年7月2日〜17日に実施

<実習スケジュール(一例)>

医学部進学希望者のための高校生医学セミナー

茨城県 高校生のための医学セミナー(医師の学校訪問)

ヘルスプロモーション(健康教育・講演)

小・中学校対象 喫煙予防教室

住民対象 健康教室

結果説明会・アンケート集計

※これらアンケート集計は,神栖市役所健康増進課羽生美穂氏にご協力頂きました。この場をお借りして,お礼申し上げます。

小学校対象 食育教室

多職種教育 教員免許更新講習

他職種教育 医療系学生対象

多職種教育 医学部教員、医療系学生対象

研究業績,著作等

研 究

著作等

報道・取材

雑誌取材