神栖市における医療システムの強化実績

在宅医療の推進

在宅医療の推進

保健・医療・福祉連携協議会を通じた普及・連携強化

2023年度は、下記に示すような従来行ってきた事業を継続して行いました。

  1. 在宅医療に取り組む医療機関及び後方支援医療機関における病診・診診連携強化を図る会議の開催
  2. ICT (施設を超えて情報共有を可能にする医療者専用のシステム)を用いた多職種での患者情報共
  3. 多職種を対象とした在宅医療の勉強会の開催有
  4. 地域住民を対象とした在宅医療の勉強会の開催

さらに、2023年度下半期より、市内外の訪問看護ステーションと訪問診療を行っている患者さんの情報意見交換の機会として毎週水曜日17時よりインターネットのビデオ会議システムを用いた「神栖在宅医療グランドカンファレンス」の開催をしています。気兼ねなく参加でき、職種関係なしで忌憚ない意見を出し合う場として参加者より好評を得ています。

神栖済生会病院における在宅医療の実績

概要

週平均で5コマの訪問診療を行い、患者の疾患別では、末期がん患者、神経難病患者、慢性閉塞性肺疾患等の慢性疾患により通院困難な高齢者、小児難病患者等幅広く診療しています。

前述の『ICTを駆使した多職種連携の仕組み作り』の成果として、日々の看護・介護や診療内容のリアルタイムでの情報共有が実現しました。その結果、神栖済生会病院と済生会訪問看護ステーションかみすをはじめとした地域の多職種との連携がさらに強化され、より質の高いケアにつながっています。なお本システム導入時には鹿嶋医師会にも協力を頂き徐々に神栖市内で利用する事業所が増えています。

現在では神栖済生会病院以外でも様々な事業所が参加しており、多職種間のスムーズな連携につながっています。

診療実績

2023年度は在宅看取りの推進をテーマに神栖市内を中心に在宅医療を引き続き提供しました。診療実績:延べ人数94人、(うち新規導入人数45人)、自宅看取り数35人/年(神栖済生会病院24名、済生会土合クリニック11名)と過去最多を更新しました。神栖済生会病院での年間在宅看取りが20名以上となったことで、診療報酬上の「在宅緩和ケア充実加算」が復活し、2024年5月より算定を始めました。

土合・波崎地区への在宅医療体制の拡大の為に、神栖済生会病院と済生会土合クリニックでの連携をさらに強化し、かみす中央メディカルクリニックとの連携(連携機能強化型在宅療養支援病院1の施設認定を取得)もすすめました。また、済生会土合クリニック、かみす中央メディカルクリニックの医師への在宅医療事例に関するアドバイスも実施しました。

2024年度に向けて

当院の訪問診療は、在宅看取りを希望する患者の増加に伴い、周辺医療機関からの依頼が増え、鹿行地域における在宅療養支援医療機関の基幹病院としての位置づけが強まりつつあります。さらに、鹿嶋市・大野診療所の柳町知宏医師との連携を深め、地域の在宅医療支援に努めています。しかし、現在の神栖市内での在宅医療提供体制では、まだ需要を満たしきれていないのが現状です。

この課題に対応するため、2024年度下半期より総合診療科の常勤医を5名に増員し、訪問診療体制のさらなる充実を図る予定です。また、在宅医療に関心を持つ院内の若手病棟看護師複数名が訪問診療に同行し、病棟とは異なる現場での学びを始めています。

同時に、市民や医療介護福祉関係者向けに、在宅医療へのアクセスに関する課題に対し、アクセスを容易にすべく、窓口や情報提供の工夫、を進めています。

これらの取り組みを通じて、在宅医療の質とアクセシビリティーの向上を目指し、地域住民に寄り添った医療サービスの提供を強化していきます。引き続き、在宅医療専門研修プログラムを有する域内唯一の機能強化型在宅療養支援病院として、鹿行地域の在宅医療を牽引し、その取り組みをさらに強化していく予定です。